脱毛施術の後に出来る症状「毛嚢炎(もうのうえん)」は、ニキビと同じような見た目をしています。
しかし、実はニキビと毛嚢炎は異なるものだということを知っているでしょうか?
ニキビは、思春期にできるイメージがある炎症です。
一方、毛嚢炎は主に脱毛後に発生する症状です。
どちらも見た目は似ていますが、毛嚢炎はニキビと違い、痛みやかゆみがほとんどありません。
見た目が似ているということで、毛嚢炎ができてしまったらニキビと同じケアをしてしまいそうになりますが、それ、実は間違った方法なのです!
今回は、見た目が似ているニキビと毛嚢炎の症状の違いや、治り方・ケアの方法などを詳しくご紹介します。
目次
そもそもニキビってなに?
まずは、ニキビについて詳しく解説します。
「青春の証」とも言われるニキビは、思春期を中心できる炎症です。
ニキビは、毛穴に皮脂が詰まり、アクネ菌が増殖することで発生します。
おでこや頬、口のまわりや下あごにできる炎症で、すぐに治ってしまう軽いものから、「ニキビ跡」としてずっと残る重症のものがあります。
思春期には「ニキビ」、大人になると「吹き出物」と呼ばれることもありますが、実はどちらも同じものです。
れっきとした皮膚病で、「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と呼ばれています。
そもそも、お肌は約28日のサイクルで再生化しています。
古い角質が剥がれ落ち、新しい皮膚細胞に生まれ変わる「ターンオーバー」を行うことで、新たな肌が表面に出てくるのです。
この時、皮脂は毛穴から汗とともに排出されますが、肌の再生化である「ターンオーバー」がうまくいかないと、毛穴の角質が厚くなります。
毛穴の角質が厚くなると、毛穴の出口が塞がれるため、皮脂が詰まってしまう原因に。
そうなってしまうと、皮脂を栄養源にしている「アクネ菌」が過剰に増えてしまうのです。
これが、炎症を起こした状態「ニキビ」なのです。
主に、ニキビは皮脂の過剰分泌をはじめ、脂性肌の人はできやすかったり、ストレスや睡眠不足、食生活の乱れによって生まれる症状でもあります。
このあたりが毛嚢炎とは異なる点です。
また、よく毛嚢炎と間違われるものとして「白ニキビ」が挙げられますが、こちらは毛穴に皮脂が詰まっただけの初期のニキビを指します。
ニキビ症状の最初の段階で、毛穴に皮脂が詰まって、古くなった状態です。
ニキビが薄い皮膜で覆われている一方、肌はまだ閉じているので、白や乳白色に見えるのです。
ニキビができてしまったら?
もしニキビができてしまったら、どうすればよいのでしょうか?
まずは、余分な皮脂をしっかりと落としましょう。
クレンジングや洗顔を使用し、皮脂や汗・汚れを優しく洗い流します。
特に日常使いが多いファンデーションや日焼け止めは、通常の化粧品よりも油分が肌に残りやすいです。
油分が肌に残ってしまうと、毛穴が詰まりさらに新たなニキビができる可能性があるため、洗い残しやすすぎ残しがないようにすることが大切です。
また、洗えば洗うほどいいというわけではなく、洗顔やクレンジングも肌へのダメージがあるものなので、朝と夜1回ずつ、計2回ほどの回数がベストです。
洗顔が終わったら、しっかりと保湿を行いましょう。
この時、潤いを与えて水分の蒸発を防ぐアイテムがおすすめです。
また、日々の日焼けもニキビの点滴なので、日焼け止めを意識して塗るようにしたいですね。
毛嚢炎とは?
一方「白ニキビ」とよく間違えられる毛嚢炎は、脱毛後に表われる炎症です。
毛嚢炎は、毛穴の奥になる毛包(毛を包んでいる箇所)に細菌が入り込んで起こる炎症のこと。
細菌はブドウ球菌が主ですが、真菌のカンジダが感染しておこることもあります。
毛嚢炎は周辺が赤くなることもあるので、ニキビに似ていると軽視しがちですが、誤ったケアをしてしまうと、余計にひどくなってしまう可能性もあるのです。
ですが、白ニキビと違ってかゆみや痛みはほとんどなく、ニキビにある「芯」がありません。
軽度な状態であれば自然と治っていきますが、徐々に悪化すると膿ができたり、できものが広がってしまいます。
さらに重症化してしまうと、肌の切開手術が必要になったりするなど、決して軽視してはいけない炎症なのです。
毛嚢炎は毛穴がある場所であればどこでもできてしまいます。
男性は特にひげ、女性の場合は特にワキやひざ、デリケートゾーンなどにできることが多く、数個から数十個が集まってできたり、1個だけできたりします。
健康的な人よりは、慢性的な皮膚病がある方や、空気が汚れた場所にいることが多い人などは、重症化してしまう傾向があります。
毛嚢炎ができる原因は?
ニキビと間違えてしまう毛嚢炎ですが、そもそも何が原因で出来てしまうのでしょうか?
ここでは、毛嚢炎ができてしまう原因をいくつかご紹介します。
①不潔な道具やケアアイテムを使用した
毛嚢炎は、不潔な道具やアイテムを使って除毛をした際に発生してしまうことがあります。
毛を剃ったまま放置していたカミソリで後日さらに除毛をしたり、カビや汚れがついたまま洗わずに使った自己処理は危険です。
傷や毛穴から肌の内部に細菌が入り込み、毛嚢炎ができてしまいます。
長期間使用していないアイテムや、浴室などの菌が繁殖しやすい場所で道具を保管しない、どうしても保管しなければいけない場合は、大量に菌が繁殖している可能性があるので、一度洗って使うなど、意識することが大切です。
脱毛サロンであれば、常に機械が清潔なのでこういった心配もありませんが、自己ケアをする場合は定期的に刃を交換したり、消毒をするようにしましょう。
②除毛のやりすぎ
また、除毛の回数が増えれば増えるほど、肌がダメージを受け毛嚢炎を引き起こす原因につながってしまいます。
特に男性は、毎日ひげを剃っている人も多いため、ドキっとした方も多いのではないでしょうか?
頻度を減らすのは難しそうですが、カミソリではなく電気シェーバーを使用したり、保湿を入念にするなど、正しい方法で除毛を行いましょう。
③肌のバリア機能が低下している
毛嚢炎ができてしまう大きな原因が「肌バリア機能が低下している」ことです。
肌のバリア機能は、肌の表面にある角質層が潤いを蓄え、乾燥と外敵バリアから肌を守ってくれる働きがあります。
肌を健康に保ったり、ハリや潤いを保つためには、肌のバリア機能を整える必要があります。
しかし、反対に言えば、この肌のバリア機能が低下すると、肌荒れやダメージだけではなく、毛嚢炎ができる原因にもなるのです。
肌のバリア機能は、肌の再生化である「ターンオーバー」を活性化させ、肌の新陳代謝を促す必要があります。
これらは、正しい食生活や規則正しい生活を行うことで改善できるので、毛嚢炎を防ぐためには普段から生活を意識しましょう。
毛嚢炎ができてしまったら?
実際に毛嚢炎ができてしまったら、どのようにケアすればいいのっでしょうか?
ニキビと似たビジュアルである毛嚢炎は、はじめの方は「毛嚢炎である」ことに気付かないかもしれません。
ですが、ニキビにある芯がなかったり、普段ニキビができる箇所ではない場所に出来てしまうなど、いつもと違うことがあれば、それは毛嚢炎の可能性があります。
ニキビと毛嚢炎の違いをしっかり理解し、適切なケアをしましょう。
①潰さずに清潔に保つ
脱毛後に赤みや膿がある発疹ができてしまったら、気になってしまいますが、潰さずに清潔に保つことが大切です。
通常、あまり触らずに清潔に保っていれば、1週間ほどで完治します。
入浴時には優しく洗い流す程度にとどめ、ピーリングや垢すりといった刺激的なことは控えましょう。
清潔なタオルで優しく拭き上げ、発疹をつぶさないように気をつけてくださいね。
②症状がひどい時はクリニックへ
脱毛クリニックなどは、毛嚢炎があるなし関係なく、塗り薬を処方してくれる場所があります。
処方してもらった薬を塗ると、通常であれば1週間程度で完治しますが、それでも完治しない場合もあります。
患部の腫れや熱を有している場合は、炎症が進んでしまっている可能性があるので、少しでも不安を感じたら、すぐにクリニックに相談をしましょう。
また、毛嚢炎ができるのを防ぐためには、肌が乾燥しないようにしっかりと保湿したり、自己ケアをする場合はシェーバーを使用したりするなど、日々の生活における意識も重要です。
ニキビと毛嚢炎の薬の違いは?
最近や症状が異なるニキビと毛嚢炎ですが、薬にも違いがあるのでしょうか?
ニキビは、アクネ菌が原因でできてしまうものなので、オロナインや、アクネ菌の殺菌作用がある薬を塗ります。
ドラックストアなどではニキビ専用の薬が多く売られていますが、白ニキビ・黒ニキビ・赤ニキビなど、ニキビの種類のよって症状も異なるので、迷ってしまった場合は薬剤師さんなどに相談しましょう。
一方、毛嚢炎も放置していれば自然に治りますが、何度も繰り返し炎症が出てしまったり、長い期間治らない場合には「抗菌薬」が使用されます。
内服と外用があるので、自分にあった薬を選びましょう。
ニキビと毛嚢炎の違いまとめ
- ニキビは「毛穴に皮脂が詰まり、アクネ菌が増殖すること」で発生する炎症
- 思春期特有の「ニキビ」と大人になってできる「吹き出物」は、「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」という皮膚病
- ニキビは、ターンオーバーが乱れアクネ菌が増殖することによりできる
- 毛嚢炎は、毛穴の奥にある毛包に細菌が入り込むことで発生する炎症
- 最近はブドウ球菌が主な原因である
- ニキビだと勘違いし、ニキビと同じケアをしてしまうと危険
膿ができたり、できものが広がり切開手術になることがある - 道具が不潔だったり、除毛をやりすぎると毛嚢炎ができる原因となる
- 毛嚢炎ができてしまったら、患部を清潔に保つ
- 症状がひどい時は、早めにクリニックへ行き相談する
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