ほとんどの脱毛サロンで行われている「光脱毛」。
脱毛したい場所に脱毛器を当てて光を照射するだけで、毛を生えにくくしムダ毛の量を減らす効果があると言われている、手軽な方法です。
しかし光脱毛はなぜ光を当てるだけで毛が目立たなくなるのでしょうか。どのような仕組みなのか、不思議ですよね。
このページでは、脱毛サロンで受けられる光脱毛の仕組みや毛周期との関係、クリニックで受けられるレーザー脱毛や家庭用の光脱毛器との違いについて詳しく解説します。
これから脱毛サロンに通おうと考えている方や、光脱毛とレーザー脱毛のどちらが良いのか迷っているという方はぜひ参考にしてみてください。
目次
光脱毛の仕組みと毛周期
光脱毛は一般的に脱毛サロンで行われており、ライトをお肌に当てて毛根にダメージを与えるという脱毛方法です。
毛周期という毛の成長サイクルに合わせて何度か光脱毛の施術を受けることで、毛が生えてくるスピードが遅くなったり、生えにくくするという効果があります。
まずは、光脱毛の仕組みや光脱毛と毛周期の関係について詳しく解説していきます。
光脱毛の仕組み
光脱毛は、毛を成長させる組織が詰まっている毛根に対してライトを照射することで脱毛できるという仕組みになっています。
毛根には細胞分裂を繰り返すことで毛を作り出す働きのある「毛母細胞」や、毛細血管から栄養を吸収して毛母細胞に与える役割がある「毛乳頭」など、毛にまつわる組織が集まっています。
光脱毛は毛根にダメージを与えることで毛が成長できなくなり、毛が細くなったり、生えるのが遅くなるという効果が得られるのです。
光脱毛の施術を受ければ受けるほど毛は目立たなくなるので、ムダ毛の自己処理を行う回数を減らせるという仕組みになっています。
光脱毛で照射されるライトは、毛の中に含まれている黒色のメラニン色素に反応するため、肌色の皮膚には直接反応しません。そのため光脱毛は、お肌に直接刃を当てるカミソリなどの自己処理よりもお肌にやさしい方法だと言われています。
光脱毛と毛周期
毛はぐんぐん伸びて成長する成長期、成長が終わり抜け落ちる退行期、毛が抜け落ちて次の毛が生えるための準備をする休止期の3つのサイクルを繰り返しています。この毛が生え変わるサイクルのことを「毛周期」といいます。
光脱毛は、毛に含まれる黒いメラニン色素に反応して毛根に熱を与える仕組みになっているので、成長期と退行期の毛にしか効果がありません。とくに成長期の時期を狙って光脱毛を行うことで、高い脱毛の効果を得ることができます。
成長期の毛はいきいきとしていて、メラニン色素が多く含まれているので、光脱毛のライトがよく反応するのです。
退行期の毛にも光脱毛の効果はありますが、退行期の毛は毛の成長が終わり毛根との繋がりが弱いため、成長期の毛に比べると脱毛の効果は低くなります。
休止期の毛に光脱毛の施術を行った場合は、脱毛の効果を得られません。休止期は毛が抜け落ちた状態なのでメラニン色素が存在せず、光脱毛のライトが反応しないため、施術を行っても毛根に熱を届けることができないからです。
退行期や休止期で光脱毛の効果を得られなかった部分については、再び毛が生えて成長期になるタイミングでもう1度光脱毛の施術を受ける必要があります。
身体の部位や人によって個人差がありますが、だいたい2~3カ月程度で退行期や休止期の毛が成長期になると言われています。効果的に光脱毛を進めていくためには、自身の毛周期に合わせて、2~3カ月に1回程度のペースで光脱毛に通いましょう。
光脱毛の種類やそれぞれの仕組み
光脱毛は特殊なライトをお肌に当てて脱毛を行う方法ですが、現在主流な方法として「IPL脱毛」「S.S.C.脱毛」「SHR脱毛」の3種類の光脱毛があり、毛に対するアプローチ方法などがそれぞれ異なります。
ここからは光脱毛の種類やそれぞれの仕組みについて詳しく解説していきます。採用されている光脱毛の種類は脱毛サロンによって異なるため、自分に合った脱毛サロン選びの参考にしてみてください。
IPL脱毛
IPL脱毛は脱毛サロンのなかで最も一般的な光脱毛方法で、インテンス・パルス・ライトと呼ばれるライトを用いて光脱毛を行います。
IPL脱毛は、黒いメラニン色素に吸収される性質をもつインテンス・パルス・ライトを照射し、その熱により毛根にダメージを与えることで脱毛の効果を得るという仕組みです。
メラニン色素に反応して光脱毛の効果を発揮する仕組みなので、脇やVIOラインなどの毛が太くて濃い部分に対してとくに高い効果を発揮しますが、メラニン色素が少ない産毛や白髪には反応しません。
IPL脱毛のデメリットとして、ほかの光脱毛に比べると痛みを感じやすいという点があります。また黒いお肌に照射すると、ムダ毛だけではなく皮膚に対してもライトが反応してしまい火傷する恐れがあるので、日焼けした場合には施術できません。
S.S.C.脱毛
S.S.C.脱毛は、スムーススキンコントロール理論に基づいた光脱毛方法で、現在多くの脱毛サロンで採用されています。
S.S.C.脱毛はお肌にジェルを塗布し、その上からライトを当てることでムダ毛を生えにくくするという仕組みです。
ライトの熱によりダメージを与える方法ではないため、強い痛みを感じることはほとんどないと言われており、お肌にも負担が少ない方法です。
SHR脱毛
光脱毛のなかで最も新しい脱毛方法がSHR脱毛です。
IPL脱毛やS.S.C.脱毛は毛根にアプローチする仕組みでしたが、SHR脱毛は毛根ではなくバルジ領域と呼ばれる部分にアプローチし脱毛する仕組みの光脱毛です。
バルジ領域とは毛根よりも浅い部分にあり、毛に対して発育の指令を出すはたらきをしている部分です。SHR脱毛はバルジ領域を含む毛包と呼ばれる部分に弱い熱を照射し、バルジ領域にダメージを与えます。
その結果、毛に発育の指令が届かなくなり、毛がはえにくくなるという仕組みになっています。
SHR脱毛は弱い熱を使用するため、施術時に痛みを感じくく、お肌への負担も少ない光脱毛方法です。
またメラニン色素に反応したり毛根にダメージを与える仕組みではないため、毛周期を気にすることなく通うことができ、産毛や細い毛にも高い脱毛の効果を期待できるというメリットもあります。
光脱毛の効果や範囲
光脱毛に通うか迷っているという方にとって、脱毛の効果や脱毛できる範囲が気になるポイントかと思います。
ここからは光脱毛の効果や脱毛できる範囲について詳しく解説していきます。
光脱毛の効果
光脱毛は1回の施術では効果を得られず、何度か施術回数を重ねることで徐々に脱毛の効果を感じられるようになります。
効果を感じられる期間や施術回数はには個人差があります。毛質や毛の量、脱毛する部位などによって異なりますが、平均的に3~6回光脱毛の施術を受けると毛が薄くなってきたことを実感できるようになる方が多いです。
さらに7~10回で自己処理が減ったことを実感できるようになり、12回以上光脱毛の施術を受けることで、ほとんどムダ毛が気にならなくなると言われています。
ムダ毛の自己処理がほとんどいらない生活を手に入れるためには、2~3年ほどの長い期間光脱毛に通う必要があります。
光脱毛できる範囲
基本的に顔やVIOラインを含む全身脱毛が可能です。しかし脱毛サロンによって対応していない場合もあるので、必ず脱毛サロンに確認してください。
ただし全身脱毛の場合でも、粘膜に近いまぶたなどの部分については、ほとんどの脱毛サロンで施術できません。
また甲状腺ホルモンの問題を引き起こす恐れがあるため、喉の脱毛もできない場合がほとんどなので注意してください。
光脱毛とレーザー脱毛の違い
脱毛には脱毛サロンで光脱毛のほかに、クリニックで受けられるレーザー脱毛という方法もあります。
光脱毛とレーザー脱毛は特徴が大きく異なるため、自分に合った脱毛方法を選びましょう。
ここからはレーザー脱毛の仕組みやメリット、デメリットについて解説していきます。
レーザー脱毛とは
レーザー脱毛とは、永久脱毛に使用される脱毛方法です。
脱毛サロンで受けることができる光脱毛は、ムダ毛を生えにくくする効果がありますが、永久脱毛はできません。レーザー脱毛は光脱毛より出力が強い機械を使用しているため、永久脱毛と呼ばれる効果の高い脱毛が可能なのです。
また光脱毛とは異なりレーザー脱毛は医療行為にあたるため、クリニックなどの医療機関で、医療従事者のみが施術を行えます。
そのため脱毛サロンに比べるとレーザー脱毛を受けられるクリニックの数は少なくなっていますが、光脱毛より高い効果が期待できます。
レーザー脱毛の仕組み
レーザー脱毛は黒いメラニン色素に対してレーザーを照射し熱を与えることで、毛根にある発毛組織を破壊する仕組みで脱毛を行います。
光脱毛とレーザー脱毛の仕組み自体はあまり変わりませんが、脱毛器の出力が大きく異なります。
光脱毛は毛根にダメージを与える程度の出力しかありませんが、レーザー脱毛は毛根を破壊するほどの出力があります。一度破壊された組織は復活しないため、半永久的な脱毛効果を得ることができます。
レーザー脱毛のほうが高い脱毛効果が期待できますが、そのぶんお肌へのダメージが大きく、強い痛みを感じます。
レーザー脱毛のメリット
レーザー脱毛は光脱毛に比べると脱毛器の出力が高く、医師や看護師が施術してくれるため安心して施術を受けられるというメリットがあります。
永久脱毛と言われるほどの高い脱毛の効果が期待できるうえ、出力が高いため、光脱毛よりも早く脱毛の効果を実感できます。脱毛完了までにかかる回数や期間も、光脱毛の約1/2程度に抑えられるため、早く確実に脱毛したい方に向いている方法です。
またレーザー脱毛は医療機関で行うため、万が一お肌にトラブルが起きても、常駐している医師や看護師にすぐに対応してもらえるので安心です。
レーザー脱毛のデメリット
レーザー脱毛のデメリットは、光脱毛よりも費用がかかり、痛みが強いという点です。
脱毛にかかる費用は、光脱毛に比べると高額になる場合がほとんどです。
レーザー脱毛は光脱毛よりも効果が高い機械を導入していることや、医師や看護師などの有資格者が施術を行う必要があるため人件費が高額になる場合が多く、光脱毛よりも費用がかかります。
また出力が強い機械を使用するため施術時の痛みが強く、とくに脇やVIOラインなど毛が太く濃い部位では、我慢できないほどの強い痛みを伴うケースも少なくありません。光脱毛に比べるとお肌への負担も大きいため、痛みが心配な方や敏感肌の方には向いていないかもしれません。
光脱毛のメリット
光脱毛のメリットは、レーザー脱毛に比べると施術中の痛みが少なくお肌へのダメージも少ないことや、費用が安く済むことです。
レーザー脱毛では痛みが耐えられない場合、麻酔を使用することもできますが、光脱毛ではそもそも麻酔を必要とするほどの痛みを感じることはほとんどありません。
また脱毛サロンでは保湿成分を含むジェルなどを使用し、美肌にも力を入れているところが多いため、脱毛だけではなく美肌効果も期待できます。
脱毛の料金の安さも光脱毛の大きなメリットです。レーザー脱毛と比較すると、半額以下で施術を受けられることも少なくありません。
光脱毛は特別な資格がなくても施術できるため、医療従事者によるレーザー脱毛とは違い施術可能な人数が多く、予約がいっぱいで初めての施術が何ヵ月も先になるという可能性も少ないです。
光脱毛はお肌が敏感な方や痛みが心配という方、お金や時間に余裕がない方におすすめの脱毛方法です。
光脱毛のデメリット
光脱毛には永久脱毛の効果はないことや、産毛には効果が低いというデメリットがあります。
光脱毛は、施術後永久に毛が生えてこなくなる永久脱毛はできません。
光脱毛には毛自体を細くしたり毛を生えにくくする効果があるので、見た目には効果を実感でき、自己処理を少なくすることはできます。ただ半永久的にツルツルの状態を保ちたいという方は、クリニックでのレーザー脱毛を選んだ方が良いでしょう。
また光脱毛はレーザー脱毛に比べると出力が弱いため、産毛などの色素が薄い毛には効果が低いというデメリットがあります。
産毛まできちんと処理してツルツルにしたいという方には、光脱毛は向いていないかもしれません。
セルフで永久脱毛はできる?セルフでできるムダ毛のお手入れ方法
家庭用の光脱毛器の仕組みや効果は?
家庭用の光脱毛器は家電量販店などで手に入り、自宅で手軽に脱毛できるため人気のアイテムです。
家庭用の光脱毛器はどのような仕組みで脱毛できるのでしょうか。
家庭用の光脱毛器の仕組み
家庭用の光脱毛器は、ライトで毛根などにダメージを与え毛を生えにくくするという仕組みで脱毛します。
脱毛サロンの光脱毛と同じ仕組みで脱毛できますが、家庭用の光脱毛器は自分で操作して脱毛する必要があるため、背中やうなじなど直接見えにくい部分や手が届きにくい部分については脱毛しづらい場合があります。
また、間違った方法で使用すると肌トラブルを起こしてしまう恐れがあるので注意が必要です。
家庭用脱毛器の効果
家庭用の光脱毛器は、脱毛サロンの光脱毛に比べると効果が劣ります。
家庭用の光脱毛器は誰でも安全に使用できるように、脱毛サロンで使用される業務用の機械よりも低い出力でに設計されています。そのため脱毛の効果が低く、脱毛サロンでの光脱毛に比べると、脱毛の効果を実感するまでに多くの施術回数や時間がかかるのです。
家庭用の光脱毛器で十分な脱毛の効果を得るためには、根気よく使い続けることが大切です。[
まとめ
- 光脱毛は、毛根に対してライトを照射することで脱毛できるという仕組みになっている
- 光脱毛には「IPL脱毛」「S.S.C.脱毛」「SHR脱毛」がある
- 痛みに強く、費用がかかってもいいから永久脱毛したいという方にはレーザー脱毛、痛みが心配で、安い費用でお肌にやさしく脱毛したいという方には光脱毛がおすすめ
- 家庭用の光脱毛器は脱毛サロンの光脱毛よりも脱毛の効果が低い
コメントを残す