うっかり日焼けした後に、肌がヒリヒリしたり皮がむけたりするとつらいですよね。
数日しても治らないと、「どうしよう?」「皮膚科に行った方がいいかな?」って不安になってくるでしょう。
今回は、日焼けしてしまったときに早く治す方法について解説します。また、普段の生活のなかでできる日焼け予防についても紹介しているので、参考にしてみてください。
目次
日焼け後のヒリヒリ感・皮むけはなぜおこる?
日焼けして肌が紫外線によるダメージをうけると、軽いやけど・炎症がおこるために、ヒリヒリ痛くなったり赤くなったりします。この状態を「サンバーン」といいます。ひどいときには、赤く腫れあがったり、水ぶくれができることもあります。
1週間ほどたつと、紫外線によるダメージをうけた皮膚は、表面に押し出されて薄い膜になってはがれ落ちていきます。また、皮膚が修復していく過程で、薄い膜の下では新しい皮膚が大急ぎでつくられています。
皮がめくれると気になって、つい指でとりたくなってしまいますが、未熟な皮膚が傷つくと色素沈着したり、治るのに時間がかかってしまいます。日焼けのあとを、きれいに早く治すためには、自然に皮がはがれ落ちるのを待ちましょう。
このように、大量の紫外線をあびると皮膚を修復しようとする反応やその過程として、ヒリヒリ感や皮むけがおこっています。スキントラブルをおこさないように、大量の紫外線を浴びないようにすることが大切です。また、もともと色が白い人は、他の人と同じように過ごしていても、肌が赤くヒリヒリして「サンバーン」を起こしやすいので注意しましょう。
日焼け後のケアは72時間以内が勝負!
どんなに気をつけていても、うっかり日焼けしてしまうこともありますよね。そんなとき、日焼けした直後のケアが大切だといわれています。「そのうち治るだろう」と放置しておくのはNGです!日焼けしてしまったら、すぐに日焼け後のケアをするかが勝負になります。
日焼けによる炎症は8〜24時間でピークを迎え、72時間後にシミのもととなるメラニンが定着しはじめます。このターンオーバーに合わせて、72時間以内に「赤みをしずめ」紫外線ダメージをケアし、メラニン色素が定着しないようにするのがポイントです。すばやくケアすることで、美肌を保つことができます。
参考:日本香粧品学会誌Vol.41、No3、 pp.240-243(2017)|皮膚の光老化とその予防に関するコンセンサスステートメント
日焼け後のヒリヒリ感・皮むけを早く治す方法!
では、日焼けして紫外線ダメージをうけた肌のケアはどうすればいいのでしょう?
ここからは、肌が赤くなってヒリヒリ痛くて皮むけして、「サンバーン」を起こしてしまったときの早く治す方法について紹介します。
STEP1. しっかり冷やす!
まずは、ほてりが引くまで肌を冷やして、炎症の進行をおさえましょう。ふつうのやけどと同じように、冷やすことが大事です。次のような方法で、肌を冷やしてください。
- 流水
流水やシャワーを使用するときは、水の勢いを弱め、できるだけ肌への刺激とならないように調整しましょう。 - 冷水で冷やした濡れタオル
肌のほてりが落ち着くまで、タオルを交換しながら冷やしてください。 - タオルで巻いた保冷剤や袋に入れた氷水 保冷剤や氷を使って冷やすときは、肌に直接ふれて刺激にならないように、タオルで巻いて冷やすことをおすすめします。
STEP2. たっぷりの化粧水でやさしく保湿
日焼けした後の肌は、角質から水分が蒸発して乾燥しているので、赤みやほてりが落ち着いたあとはたっぷりの化粧水でしっかり保湿しましょう。
<POINT>
- 化粧水の量が少ないと、肌の奥まで十分に水分がいきわたらないので、たっぷり使ってください。
- 肌を保湿するときは、化粧水をパタパタと叩くようにパッティングすると刺激になるので、やさしく丁寧に肌になじませてましょう。
- 普段よりもたっぷりとやさしく丁寧に保湿するのがポイントです。
- 肌を冷やした直後だけでなく、入浴した後もしっかり保湿ケアをして、肌の回復を待ちましょう。
- 化粧水をたっぷり含ませたローションマスクもおすすめです。
注意:強い痛みや水ぶくれがある場合は、速やかに皮膚科を受診してください!
対応が遅いと、やけどが悪化したり感染する可能性があります。次の項目に、当てはまるようなら受診を考えましょう。
- 水ぶくれができている
- 強い痛みがある
- 3日以上たっても症状がよくならない。または、悪化している
STEP3. からだの内側から早く治すのを助けるインナーケア
日焼けによる紫外線ダメージで軽いやけどや炎症をおこしている肌のために、次の4つの栄養素をとり、からだの内側から肌の修復を助けてあげましょう。栄養素にはそれぞれ、次のようなはたらきがあります。栄養素が含まれている食べものを参考に、毎日の食事に取り入れてしてみましょう。
日焼けによる炎症が治るのを助けてくれる「4つの栄養素のはたらきとその栄養素が含まれる食べもの」がこちらです。
栄養素 | はたらき | 含まれる食べもの |
亜鉛 | 新陳代謝を促す | 牛肉の赤身、貝類など |
ビタミンA(特にβ-カロテン) | 皮膚や粘膜の保護 | うなぎ、色の濃い野菜など |
ビタミンB | 代謝を促す | 豚肉、たまご、納豆など |
オメガ3脂肪酸 | 炎症をおさえる | アジ、サバ、イワシなどの青魚 |
また紫外線をたくさん浴びると、体内に老廃物や活性酸素が大量に発生します。放っておくと、シミや老化の原因になってしまうので、次のことを心がけてください。
- 老廃物をスムーズにながすために、水分を多めに補給しましょう!
- 活性酸素を除くために、抗酸化物質がたくさん含まれている果物や緑黄色野菜をたっぷり食べましょう!
ビタミンA(特にβ-カロテン)、ビタミンC、ビタミンEは抗酸化作用が強く、次のような食べものにたくさん含まれています。
栄養素 | 栄養素が含まれる食べもの |
ビタミンA(特にβ-カロテン) | にんじん、ほうれん草、かぼちゃなど |
ビタミンC | キウイ、菜の花、ブロッコリーなど |
ビタミンE | アーモンド、うなぎ、茶葉など |
参考:文部科学省|日本食品標準成分表
毎日の生活でできる日焼け予防!
ここまでは、日焼け後のヒリヒリ感や皮むけの原因と早く治す方法について解説しました。
しかし紫外線による肌への負担を考えると、まずは皮膚トラブルをおこす前に、日頃から大量の紫外線をあびないようにすることが大切です。また紫外線は肌の老化やシミ・シワの原因になるため、美肌を保つためには、できるだけ日焼けをしないように気をつけましょう。
ここからは、毎日の生活の小さな心がけや工夫でできる日焼け予防のポイントを紹介します。
日差しの強い時間帯の外出を控える
外出するときはお昼の時間をできるだけ避けるのがおすすめです。紫外線の強さは時間帯によって異なり、一日のなかでは、太陽が高くなる正午ごろが最も紫外線が強くなることがわかっています。そのため、紫外線が強くなる時間帯の外出を控えることが日焼け予防につながります。
買い物などの用事は、できれば日差しが強くない朝の早い時間か夕方に済ませるように心がけましょう。また、外に出るときは、できるだけ日陰を歩くと、浴びる紫外線の量を減らすことができます。
日焼け対策グッズを活用する
衣類や帽子、日傘などの日焼け対策グッズを使って紫外線(UV)から肌を守りましょう。
日傘
日焼けを防ぐためには、日傘はおしゃれなものよりもUVカット効果があるものを選びましょう。「紫外線遮蔽率90%以上」「UVカット率90%以上」と表示されているものが、UVカット効果が高いです。日傘は肌だけでなく、髪や頭皮を紫外線から守るためにも良いでしょう。
帽子、カーディガン、アームカバー、ストール
このようなグッズは、直接、肌に紫外線があたるのを防いでくれます。帽子はつばが広いものを選ぶのがおすすめです。つばが広い帽子だと、顔や首に紫外線が直接あたるのを防げます。
日焼け予防のためには、なるべく首元や腕などの肌の露出を控えましょう。暑い日は、通気性の良い衣類を選んだり、カーディガンやアームカバー・ストールをうまく活用しましょう。カーディガンやアームカバー・ストールは、簡単に脱ぎ着できるので便利です。
サングラス
紫外線は目にもダメージを与え、充血やドライアイなどの原因にもなります。そのため、屋外ではサングラスをかけて目を保護しましょう。
サングラスもUVカット効果があるものを選ぶようにしてください。サングラスの色の濃さとUVカット率とは関係ないので、「外線透過率1.0%以下」「紫外線カット率99%以上」と表示されているものを選びましょう。
日焼け止めを正しく使う
活動するシーンにあったSPF/PA値の日焼け止めを使う
日焼け止めにはいろいろなタイプのものがあるので、迷いますよね。日焼け止めを選ぶときに注目するのが、紫外線をカットする効果を示すSPF値とPA値です。SPFとPAの値を確認して、シーンに合わせて使い分けるのがおすすめです。
SPF値:UV-B(レジャー紫外線)を防ぐ指標。最大50+まであります。
※UV-Bとは、屋外での日焼けの主な原因となり、肌表面にダメージを与える紫外線です。
PA値:UV-A(生活紫外線)を防ぐ指標。+~++++までの4段階あります。
※UV-Aとは、家や車の窓ガラス越しに浴びており、肌の奥にダメージを与える紫外線です。
日焼け止めを選ぶ目安
通勤や1時間程度の外出:SPF10~30、PA+++くらい
日差しの強い日、海水浴やキャンプ・スキーなどのレジャー:SPF30~50+、PA++++
日焼け止めを正しく塗る
日焼け止めは、次のポイントに気をつけて塗りましょう。
- 塗り忘れがないように丁寧に塗る:フェイスラインや耳・首の後ろなど
- 紫外線が当たりやすい部分は重ね塗りする:額、鼻など
- 2、3時間おきに塗り直す:汗をかくと、どうしても落ちてしまいます。外出する前に1回塗ったらそのままにせず、2、3時間おきには塗りなおすように心がけましょう。
曇りや雨の日、屋内も要注意
日差しが弱く涼しい日や、曇りや雨の日でも、紫外線対策は必要です。紫外線は雲を通り抜けて地表まで到達するので、天気の悪い日でも気を付けなければなりません。
また、屋外だけでなく家のなかにいても紫外線対策が必要です。紫外線は自然光と一緒に、家や車の窓ガラスを通り抜けて室内に入ってきます。室内で過ごすときにも、日焼け止めを塗る、UVカット効果のあるカーテンやガラスフィルムを利用するなど、紫外線対策をしましょう。
まとめ
日焼け後のヒリヒリ感や皮むけを早く治す方法は、理解してもらえましたか?日焼けによる肌トラブルは、最初の対応が大切です。
- まずは、肌のほてりが引くまで冷やし、炎症の進行をおさえましょう。
- 赤みやほてりが治ってきたら、乾燥している肌にたっぷりの化粧水でやさしく潤いを与えましょう。
- 炎症をおこした肌のために、肌の修復を助ける栄養素や抗酸化物質を含むものをたべて、体の内側から肌の回復を助けてあげましょう。
また紫外線は目にみえませんが、浴び続けることで肌や目の負担になります。できれば日ごろから紫外線対策をして、日焼けしないように予防するのが理想です。この記事で紹介した方法を参考に、できることから少しずつ始めてみてください。
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