脱毛は1回の施術では終わりません。長い期間脱毛サロンに通い続ける必要があるので、その間には体調を崩してしまい薬を服用する場合もあるでしょう。また、持病があり日常的に薬を服用しているという方も多いのではないでしょうか。
脱毛と薬にはあまり関係がないと思うかもしれませんが、脱毛サロンのカウンセリングでは薬の服用の有無を聞かれることがほとんどです。
薬によっては服用中に脱毛の施術を受けるとトラブルに発展する可能性があり、注意が必要なためです。
薬の服用によって、一体どのようなトラブルが起こる可能性があるのでしょうか?
このページでは、薬の服用中に脱毛を行う危険性や、脱毛と薬の関係について詳しく解説します。
目次
薬を服用しても脱毛できる?
脱毛の予約をしているのに体調を崩してしまったとき、薬を飲んでも良いのでしょうか?
脱毛サロンごとに定められたルールによりますが、基本的に薬を服用した場合には脱毛の施術を受けられない場合が多いです。
薬の種類と量にもよりますが、薬の服用中に脱毛を行うと、次のような危険な状態を引き起こしてしまう危険性があります。
- 光線過敏症になる
- 体調が悪くなる
光線過敏症になる
薬の副作用により「光線過敏症」になってしまう可能性があります。
光線過敏症って?
光線過敏症とは、通常では問題ないような光を浴びただけで、炎症や水ぶくれを起こしてしまうアレルギー症状です。例えば、軽く太陽の光を浴びただけで発疹が出たり、ひどい日焼けをしてしまう方もいます。
光線過敏症を起こしてしまう原因は遺伝によって引き起こされる場合やアレルギー、代謝異常などさまざまですが、薬の副作用によって光線過敏症になってしまうケースが近年増加しています。
発症する年代は乳児期~老年期までさまざまで、とくに薬の服用による光線過敏症の症状は、薬と光の量が一定以上であれば、誰にでも起こりえる症状です。
光線過敏症の副作用を持つ薬は数多くありますが、とくに内服薬による発症が多いとされています。普段あまり気にせず飲んでいる薬でも、光線過敏症の原因となる成分が含まれていることもあります。
また薬の副作用により光線過敏症になってしまっても、実際に症状が出るまで気づかないことがほとんどなので、脱毛期間中の薬の服用にはとくに注意が必要です。
光線過敏症と脱毛の関係
光線過敏症のほとんどは紫外線に対して反応しますが、中には可視光線や赤外線などに反応する場合もあります。
脱毛サロンではライトを使用した光脱毛が導入されています。光線過敏症の状態で脱毛を受けると、脱毛器から照射される光に過剰に反応してしまい、お肌に赤みやかゆみなどのトラブルが起きてしまいます。
さらに症状が悪化するとお肌が炎症を起こし、湿疹や水疱が出る、ミミズ腫れや蕁麻疹のような状態になるなど深刻な皮膚炎に発展してしまう危険性もあります。皮膚炎になると皮膚科での診察や治療を受ける必要があるうえに、痕が残ってしまう可能性もあります。
肌トラブルが起きてからはじめて光線過敏症に気づくことが多いので、脱毛期間中の薬の服用には十分に注意し、光線過敏症の原因となる薬を服用している場合は脱毛を控えましょう。
体調が悪くなる
薬の服用中に脱毛の施術を受けると、肌トラブルを起こしやすいだけではなく体調が悪くなる原因にもなるため、薬を服用している場合は脱毛できないという脱毛サロンが多いです。
薬を服用しているということは、なんらかの体調不良を感じているということです。体調がよくないときには、お肌がいつもよりデリケートになっている可能性が高いです。
そのため薬を服用した状態で脱毛の施術を受けると、肌トラブルを起こしやすくなったり、お肌に熱がこもりやすく熱っぽさやだるさを感じる場合があります。
体調が悪いと感じるときには無理に脱毛に通わずに、いったん脱毛をお休みし、体調が回復してから万全な状態で脱毛に通うことがおすすめです。
服用してはいけない薬
脱毛の施術を受ける際に服用してはいけない薬とは、どのような薬なのでしょうか?
ここからは脱毛のときに服用してはいけない薬について詳しく解説します。
基本的にはすべての薬の服用を避ける
光線過敏症の原因となる薬は数多くあるため、基本的にはすべての薬の服用を避けてください。
通常、脱毛の施術時に照射される光が人体に悪影響を及ぼすということはありません。しかし薬を服用している場合は薬の種類・量や服用時の体調などによって、通常なんでもない薬でも光に過剰に反応してしまい、トラブルを引き起こしてしまう可能性もあります。
薬には様々な種類があり、副作用が出やすい薬や、服用するとホルモンバランスが乱れてしまう薬などもあります。
普段は服用してもとくに問題を感じないかと思います。しかし脱毛の施術を行うことで副作用が強く出てしまう可能性があるので、ほとんどの脱毛サロンでは薬の種類に関係なく、薬を服用中の脱毛の施術はできません。
副作用に光線過敏症がある薬は避ける
副作用として光過敏症の症状が出る可能性がある薬は、数多く存在します。
たとえば風邪をひいたときや頭痛・生理痛などを和らげる効果がある「解熱消炎鎮痛薬」は身近な薬で、服用したことがある方も多いかと思います。しかしこの薬にも光線過敏症の副作用があります。
花粉症の治療に使用される抗アレルギー薬など、服用する機会が多い身近な薬にも光線過敏症の副作用をもつ薬は数多くあります。どれほど身近な薬であっても、服薬している場合には脱毛の施術を受けることができないので、注意が必要です。
病院で処方された薬は相談する
病院で処方された薬を服用している方は、まずかかりつけの医師に相談してから、脱毛サロンのスタッフに相談してください。
脱毛サロンによっては、医師の同意書の提出を求めるケースもあります。また、万が一に備えて「すべての薬を服用している方は脱毛できない」としている脱毛サロンもあります。
たとえ病院の医師から許可があった場合でも、必ず脱毛サロンに相談しましょう。医師の了承を得ていても脱毛の施術を受けられない場合もあるので、あらかじめご了承ください。
市販薬の自己判断での服用は避ける
身近なドラッグストアなどで購入した市販薬を服用しているという方も多いかと思います。簡単に手に入れることができ便利な市販薬ですが、脱毛を行う際には、自己判断で服用することは避けましょう。
市販薬は種類が豊富なうえ、さまざまな成分が含まれています。たとえ光線過敏症の副作用が記載されていない場合でも、他の副作用が出てしまったり、体調が悪化してしまう可能性もあります。
光過敏症の記載がないからといって、自己判断で市販薬を服用し施術を受ける行為は危険なので、絶対に行わないでください。
痛み止めの薬(鎮痛剤)
脱毛の施術は少なからず痛みを伴います。脱毛する部位や毛質によっては強い痛みを感じる場合もありますが、施術中の痛みを和らげるために痛み止めを服用するのは避けてください。
鎮痛剤には一時的に痛みを軽減する効果が期待できますが、鎮痛剤の中には光線過敏症の副作用をもつ薬もあるので、自己判断で服用して脱毛の施術を受けることは大変危険です。
鎮痛剤に頼らなくても、照射の出力レベルを下げて施術するなど、脱毛時の痛みを和らげる方法は他にもあります。施術の痛みが心配という方は自己判断で鎮痛剤を服用するのではなく、まずは脱毛サロンのスタッフに相談してみてください。
風邪薬や花粉症の薬
風邪薬や花粉症の薬は、服用する機会が多い薬です。しかし風邪薬や花粉症の薬のなかにも光線過敏症の副作用をもつ薬があります。
とくに花粉症の薬については日常的に服用している方も多いですが、脱毛当日にうっかり服用してしまうと、脱毛の施術を受けられない場合もあるので注意してください。
症状がつらいときには無理をせずに薬を服用し、脱毛の施術をお休みすることをおすすめします。
ピルの場合
服用している薬がピルの場合は、脱毛の施術を受けることができるという脱毛サロンが多いです。
ピルは、女性ホルモンの分泌を調整する働きがある薬なので、服用することでホルモンバランスが変化します。
ピルを服用することで肌の調子が整って、肌トラブルを起こしにくくなる方もいます。ただ反対に、普段よりお肌が敏感な状態になり、肌トラブルを引き起こしやすくなる可能性もあります。
ピルの種類や体質、体調によっても脱毛の可否は変わるので、かかりつけの医師と脱毛サロンのスタッフに確認することをおすすめします。
脱毛サロンによっては脱毛の施術を断られる場合や、医師の同意書の提出を求められることもあります。
漢方薬の場合
漢方薬を服用する場合もほかの薬と同じように、病院の医師や脱毛サロンへの確認が必要です。
漢方薬は副作用が少ない薬ですが、薬であることに変わりはありません。
種類や目的によりますが、漢方薬を服用していても施術可能な場合が多いので、まずは相談してみることをおすすめします。
服用のタイミングや、当日服用してしまった場合は?
服用してもよいタイミングは?
薬を服用してもよいタイミングについては、脱毛サロンごとに規定があるため、一概には言えません。
脱毛の施術を行う6時間前までに薬を服用した場合は脱毛できないという脱毛サロンもあれば、24~48時間は脱毛できないとしている脱毛サロンもあります。脱毛サロンによって差が大きいため、自分が通っている脱毛サロンに確認しましょう。
ただ市販されている花粉症薬などの薬については、一般的に脱毛する8時間前後~24時間ほど時間を空ければ服用できると言われています。
ドラッグストアなどで販売されている花粉症薬などの市販薬は、病院で処方される薬よりも効き目がゆるやかなので、脱毛の施術から時間を空ければ服用しても問題ないという場合が多いようです。
ただし市販薬は成分が多種多様なため、なかには時間を空けた場合でも光線過敏症の副作用が出やすい薬もあります。とくに解熱消炎鎮痛薬などを服用した場合は、光線過敏症の副作用が強く出る危険性があります。
市販薬であっても施術当日の服用はできるだけ避け、もし薬を服用した場合には必ず脱毛サロンのスタッフに相談しましょう。
脱毛当日だけ服用を控えればOK?
「脱毛当日だけ薬を飲まないようにすれば大丈夫だ」と思っている方もいるかもしれませんが、ピルや抗生物質、抗不安薬などは毎日服用する必要がある薬です。
脱毛の施術を受けたいからと言って自己判断で1日だけでも服用をやめてしまうと、薬の効果が十分に発揮されず効き目がなくなってしまったり、弱くなる危険性があります。
症状が悪化してしまったり、最悪の場合、命にかかわる場合もあるかもしれません。常用している薬がある場合、脱毛をしたいからと自己判断で服用をやめることは避けましょう。
いつも通りに服用したうえで、施術を受けられるかどうかはかかりつけの医師と脱毛サロンのスタッフに相談してください。
常備薬も申告しておくと安心
毎日服用していなくても、アレルギーの薬や生理痛や頭痛がひどいときに服用する鎮痛薬など、安心のために用意している常備薬がある方もいるのではないでしょうか。
いつも飲んでいて問題ない薬でも、脱毛の施術前に自己判断で服用してしまうと、トラブルを引き起こしてしまう可能性があります。
また内服薬以外の薬、たとえばシップなどの張り薬やお肌の調子が悪いときなどに使用する塗り薬などの外用薬でも、脱毛の施術を受ける際には注意が必要です。
外用薬も内服薬と同じように、薬を塗った状態で脱毛の施術を行うと、思わぬ肌トラブルに発展してしまう危険性があります。
常備している薬があるという方は、事前に脱毛サロンのスタッフに申告し、脱毛当日に使用しても問題ない薬なのか確認しておきましょう。毎日飲んだり使用しているわけではないですが、あらかじめ確認しておくことで、万が一の時に安心して使用できるのでおすすめです。
服用してしまった場合
もし脱毛の施術当日に薬を服用してしまった場合には、そのまま脱毛の施術を受けることができるのか確認する必要があるので、まずは脱毛サロンに相談しましょう。
薬の種類や量、服用した時間などによっては、そのまま脱毛の施術を受けられる可能性もあります。施術を受けられなかった場合は、当日の施術をキャンセルし、改めて予約を取り直しましょう。
薬の服用を隠して施術を受けると、肌トラブルを起こしたり体調が悪くなる恐れがあり危険です。脱毛の施術を受けたいからといって薬の服用を隠すことは絶対にやめてください。
まとめ
- 光線過敏症や体調不良の危険性があるため、基本的に薬を服用した状態で脱毛の施術を受けることはできない
- 風邪薬や花粉症の薬など、身近な薬のなかにも光線過敏症の副作用をもつ薬がある
- ピルや漢方薬を服用している場合はほとんどの脱毛サロンで施術を受けることができる
- 脱毛当日にうっかり服用してしまった場合は、必ず脱毛サロンに相談する
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