毛嚢炎という単語をあまり聞いたことがない方、多いのではないでしょうか。脱毛する際の副作用を調べて、はじめて見た方は少なくないでしょう。脱毛の副作用には、熱傷(=やけど)、硬毛化、打ち漏れなどがありますが、やけどと毛嚢炎は直接痛みを伴う副作用です。とくに、毛嚢炎は聞き覚えがない分恐ろしく感じられることもあるでしょう。
そこで毛嚢炎とは何か、その原因や毛嚢炎ができた場合の対処法や毛嚢炎を発生させないための予防法を紹介します。
目次
毛嚢炎ってなに?
主な症状
まず、毛嚢炎とは何でしょうか。毛嚢炎とは、毛穴奥の毛根を包んでいる毛嚢もしくは毛包にできた小さな傷から細菌が感染して起こる炎症です。
見た目は白ニキビや赤ニキビそっくりです。肌表面が赤っぽくなったり、白や赤の吹き出物が出ているように見えます。指先で触るとニキビと違って芯がなくフニャフニャしている感触です。このため、ディフェリンゲルなどのニキビの治療薬を使用しても症状は改善しません。
悪化した場合
毛嚢炎が悪化すると、ニキビのような見た目ではなくなり、様々な症状がでてきます。いわゆる「おでき」や「よう」になります。「おでき」になるとニキビの何倍もの硬い感触になり、強い痛み、熱をもった感覚になります。「よう」は「おでき」が悪化したもので、隣り合う複数の毛包に炎症が広がったものです。より強い痛み、発熱、体調不良になります。
毛嚢炎はできやすい部位とできにくい部位があります。特に、顔、うなじ、背中、ひじ、膝、デリケートゾーン周り、お尻、太ももなどにできやすいです。皮脂分泌が多い部分や蒸れやすい部分にできやすいです。
毛嚢炎になる2大原因
では、何がきっかけで発症するのでしょうか。毛嚢炎は主に2つの原因から発症します。
1つ目の原因は、ムダ毛処理です。剃刀や毛抜きなど刃物を使用した脱毛方法は肌に傷ができやすく、その傷から細菌感染してしまいます。更に、浴室のように高温多湿状態で剃刀などを保管すると傷がつかなくても毛嚢炎になりやすくなります。細菌が増殖しやすい上に肌のバリア機能が低下するからです。
2つ目の原因は乾燥などによる肌のバリア機能低下です。入浴後の肌がふやけた状態や体調不良により肌表面の角質層が削れているもしくは機能が弱まっているときに細菌感染しやすいです。脱毛の副作用で毛嚢炎になる場合は乾燥が原因です。
また、肌自体が不衛生な場合でも毛嚢炎になりやすくなります。例えば、洗顔や入浴を控える場合です。体調不良でお風呂に入ることもできない場合もあると思います。お湯で湿らせたタオルで体を拭うだけで随分違います。
毛嚢炎ができたときの対処法
それでは、毛嚢炎ができてしまった場合の対処法について説明します。
意外かもしれませんが、毛嚢炎を潰さないことです。なんだか柔らかいし、すぐに潰したくなりますよね。顔や体を洗っている最中に潰れてしまうこともあるでしょう。中の膿が出ることで治ったように見えるのかもしれません。
しかし、毛包にはまだ原因菌が残っていることが多く、潰すだけでは治りません。潰した場合、悪化して「おでき」に成長する、ニキビのように跡が残るなどの可能性があります。触ると潰れやすくなるため、そもそも触らない、潰さないように気をつけましょう。
まず、毛嚢炎になった原因としてサロンなどでの脱毛が思い当たる場合、そのサロンに相談しましょう。医療脱毛の場合、薬を処方してくれることもあります。
そして、皮膚科を診療することです。ニキビとの違いがわかりにくく悪化すると炎症が広がるため、素人でなくプロに判断してもらう方が早く確実に治すことができます。セルフケアや市販薬に頼るより状況に応じてクリニックに相談しましょう。
皮膚科を受診する基準としては、複数の毛嚢炎ができる場合、1週間近く症状が全く改善しない場合などです。それ以外の場合でも、少しでも不安があるときは遠慮なく受診しましょう。詳しい予防方法や対策についてアドバイスがもらえます。
毛嚢炎の予防方法
予防方法1 清潔第一
つづいて、予防法について紹介します。毛嚢炎が小さく、軽症の場合は対処法にもなります。
皮膚を清潔にすることです。毛嚢炎周辺の洗浄と保湿をしっかりしましょう。多くの場合、1週間ぐらいで症状が軽快します。そもそも毛嚢炎ができたところは乾燥していたり、不衛生だったりします。皮膚の環境をよくすることで予防にも繋がります。
顔や体を洗う回数を増やすのではなく、洗い残しがないようにしましょう。洗顔料やボディーソープの刺激が強いこともあります。毛嚢炎だけでなく他の肌トラブルも繰り返す場合は、洗顔料などを固形に変える、低刺激なものを選ぶようにしましょう。
意外と見落としがちですが、熱いお湯での入浴や洗顔は避けましょう。温度が高いお湯ほど肌の表面の必要な油分を洗い流し、乾燥しやすくなります。とくに顔の皮膚は体の何倍も薄いため、冬でも高くても34-36℃くらいの温度のお湯で洗いましょう。
汗をこまめに拭き取ることも重要です。汗を放置すると肌の表面に雑菌が発生するため、不衛生になります。汗をかきやすい夏場はとくに気をつけましょう。体を拭くのは清潔なタオルを使ってください、
予防方法2 保湿を忘れずに
保湿は肌のバリア機能を正常に保つ効果があるため重要です。脱毛直後や脱毛した当日は肌が乾燥しているため、念入りに保湿しましょう。肌の保湿はやけどなどの他の副作用も予防できます。洗顔後や入浴後は肌の水分を逃さないよう、なるべく早く保湿しましょう。
ボディクリームのベタベタ感じが嫌いな方は、お風呂あがりなどに体を吹かないうちにボディクリームを塗り、シャワーで洗い流すことをおすすめします。適度に保湿される上にボディクリームの香りが薄まります。このため、嫌いな香りのボディクリームを使い切りたいという方にもおすすめです。
しかし、脱毛当日にはボディクリームを塗ることができません。当日にうっかり塗ってしまった場合は直前にウェットシートで拭き取りましょう。個人のお店やマイナーなサロンだとウェットシートが切れている、もしくは用意されていない場合があります。はじめて行くお店の場合、持参しましょう。
最近では、脱毛後に保湿ジェルを塗るサロンもあります。コラーゲン脱毛など、保湿ジェルにこだわっているサロンもあります。気になる方は調べてみてください。
[参考]
脱毛前の化粧水がダメな理由!保湿の重要性やおすすめの方法
予防方法3 忘れがちな紫外線対策
紫外線対策をしっかり行いましょう。紫外線は日焼けするだけでなく皮膚のバリア機能を低下させます。つばの広い帽子やアームカバー、サングラスなどで日焼け対策しましょう。
とくに、脱毛当日は肌に何も塗れないため、できるだけ肌の露出を抑える服装をしてくださいね。
実は真冬や室内にいても、紫外線を浴びています。また、スマホやPCの画面からのブルーライトも紫外線と同じ効果があります。できるだけ浴びないようにする、日焼け止めをこまめに塗るなど工夫しましょう。
高いSPF値を1回塗るのではなく、少し低めのSPF値の日焼け止めを2,3時間ごとに塗り直すことをおすすめします。
予防方法4 ムダ毛の自己処理を控える
ムダ毛の自己処理を控えましょう。肌のバリア機能が弱っている上に、毛嚢炎の原因になりうる剃刀や毛抜きを使うことで、さらに毛嚢炎を増やす可能性が高くなります。
それでも自己処理したいときは。電気シェーバーを使用しましょう。顔用ならより肌への負担が少なくなります。使用前には刃を清潔にしてくださいね。
どのメーカーがいいかわからない場合、脱毛サロンのスタッフに聞く、大手のものを選ぶと確実です。替刃がついているものを選びましょう。
予防方法5 生活習慣の改善
そして、生活習慣を整えましょう。とくに関係がないように見えますが、肌の環境を整えるという点で重要です。肌の新陳代謝が正常になることで美肌に近づきます。
生活習慣を整えるには、睡眠を改善することやストレスを溜め込まないようにすることがおすすめです。
そのうち睡眠や食事など生活の基本を改善することはとくに効果があります。
人は眠らないと生きていけません。睡眠不足は集中力低下や様々な体の不足を招きます。寝る前にのんびりして過ごすことや湯船にしっかり浸かることが質のよい睡眠につながります。
食生活については、糖分と脂質の取りすぎを心がけましょう。体によいものを食べるより、体に悪いものを食べない方が効果は大きいです。
現代の人々は昔の人より活動量が少なくなっており、毒素を体外に排出することが難しくなっています。化合物を毒素を分解するエネルギーは膨大なので、これを節約することでストレス値も低下できるでしょう。
食べ物の質感が肌の質感になるという持論もあります。食べたもので体ができているとも言われます。自分が今日食べたものを振り返ってみてもいいのではないでしょうか。
[参考]
脱毛後はケアが大事!お手入れ方法の注意点や気をつけたいポイント
脱毛方法による違い
それでは、脱毛によって毛嚢炎になりにくくなるのでしょうか。自己処理の回数が少なくなることで肌の乾燥や肌への小さい傷を防ぐことができます。これにより、脱毛が完了後、毛嚢炎のリスクは低くなります。
また、医療脱毛の方が美容脱毛と比べて毛嚢炎になりやすい傾向にあります。医療脱毛の方が脱毛機の出力が高く、乾燥しやすいです。このためどちらかといえば、美容脱毛の方が毛嚢炎になりにくいです。
まとめ
この記事では以下のことを紹介しました。
- 毛嚢炎とは何か
毛嚢への細菌が感染して起こる炎症のこと - その原因や対処法
ムダ毛処理または肌のバリア機能の低下が原因
対処法は、毛嚢炎を潰さず、クリニックや皮膚科に相談する - 予防方法
肌を清潔にする
ムダ毛処理を控える
生活習慣を整える - 脱毛方法による毛嚢炎のなりやすさ
脱毛そのものよりも、自己処理を控えることが毛嚢炎リスクを下げる
美容脱毛は毛嚢炎になりにくい傾向がある
脱毛が原因のこともありますが、それ以外の原因で毛嚢炎になることもあります。
毛嚢炎は身近ですが悪化すると大変なことになります。しかし、対処方法や予防方法を知ることで不安は解消できます。自分で予防できます。
よく検討してよい脱毛ライフを送りましょう。
コメントを残す